icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻2号

1967年02月発行

文献概要

薬の臨床

妊娠静脈瘤に対するHaemolindの使用経験

著者: 砂田裕和1 山口博敏1 国井勝昭1 伊藤達也1 松崎浩1

所属機関: 1昭和大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.165 - P.168

文献購入ページに移動
はじめに
 妊娠時,静脈瘤が下肢,外陰部,陰唇内,腟内等に出現し,時には非常に膨隆している例がある事は産科外来では,しばしば見られるところである。これは妊娠に伴う骨盤内の充血や妊娠子宮の圧迫などが血流を阻害するのみならず,さらに妊娠時の内分泌環境がこれを助長するものと考えられる。
 しかし案外なんらの苦痛もなく,また危険もなく分娩をすませている婦人が多いので医師もこれに無頓着でいることがままある。しかし静脈瘤を見る頻度に比べて,破裂のような危険をきたすことは非常に少ないが,このような特発症状の起こる可能性もあるので観察を怠るべきでなく,さらに治療も必要であるが,今までは過労を避け,長時間の立位作業および歩行を禁じ,また睡眠時下肢の挙上という姑息的方法であつた。このたび妊婦を対象としてHaemolind舌下錠を使用し若干の知見をえたのでその成績を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?