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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻3号

1967年03月発行

文献概要

症例

新生児兄妹に連続発生した胃穿孔の1例

著者: 柳沼忞1

所属機関: 1東京大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.221 - P.224

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はじめに
 新生児胃穿孔は,1825年にSiebold1)が1例を報告したのがはじめで,その後,報告が少しずつ続いているが,比較的多数例の報告には,1929年Amedo2),1955年Vargas3),1957年Moore4),そして1963年Reams5)等があり,本邦では,1939年(昭和14年),矢内原6)が最初に報告し,その後1963年(昭和38年)織田・前田7)の詳細な報告が出ている。
 しかし,兄弟に相ついで発生した報告は少なく,わが国で1954年(昭和29年)に庄司・野田8)が報告しているにすぎない。これは,二卵性双胎児に発生したもので,先天性胃筋層欠除を胃穿孔の原因としている簡単な報告である。なお,胃穿孔ではないが,新生児兄妹にみられた十二指腸潰瘍に腹部膨満,皮膚の細静脈怒張,皮膚光沢増加が著明よる穿孔の剖検報告を1958年(昭和33年)山田9)がしている。今回,私は,非双胎の新生児の兄妹に発生した胃穿孔のうち,妹の方を経験したので,その兄の例10)と比較して報告する。(図1,2,3,表1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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