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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻4号

1967年04月発行

文献概要

特集 絨毛性腫瘍の化学療法

絨毛性腫瘍の地域的登録管理方式

著者: 石塚直隆1 中島貞利1

所属機関: 1名古屋大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.279 - P.283

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はじめに
 1956年,Hertz7)2)3)4)5)によりMethotrexate (以下MTX)が絨毛性腫瘍(以下絨腫瘍)の化学療法に用いられ,さらに最近Actinomycin D (以下ACTD)が登場するに及んで,遠隔転移を伴つた絨毛上皮腫(以下絨腫)患者は,以前にはほぼ100%死亡するといわれたが,最近,完全緩解例がまれではなくなつた。しかし,その予後は破壊性胞状奇胎(以下破奇)のそれに比し格段に不良であるといえる。絨腫患者の予後を決定する重要因子の一つとして早期発見と早期治療をあげることができる。我々は昭和37年8月以来,愛知県産婦人科医会の全面的協力を得て,絨腫瘍,胞状奇胎(以下胞奇)の地域的予後管理を実施中であるが,この目的は絨腫瘍,胞奇の地域的発生状況を把握する点にもあるが,むしろ,絨腫瘍の80%,絨腫の50%がその前駆妊娠として胞奇があげられるところから胞奇の予後を管理することにより,絨腫の早期診断および早期治療の可能性を追求し,絨腫の予後の改善に資せんとするところにある。本稿においては胞奇患者の管理成績を中心として,これより発生した絨腫瘍患者の予後について述べることとした。この管理方式は現在なお続行中のもので,中間的な発表であることを御了承願いたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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