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特集 絨毛性腫瘍の化学療法
肺転移に対する化学療法の評価
著者: 相馬広明1 岡本六蔵1 豊田泰1
所属機関: 1東京医科大学産婦人科教室
ページ範囲:P.291 - P.297
文献購入ページに移動絨毛性腫瘍(破壊奇胎および絨毛上皮腫)の肺転移の頻度は私どもの教室で56.7%に認められるが,依然として肺転移の存否はその予後を左右しているといえる。たとえば肺転移の発見時期は私どもの教室では患者の入院時すでに転移を認めた例は75.6%にもおよび絨腫発見時に肺転移を同時に発見した例が非常に多く,早期に肺転移が生じていることが理解されている。しかしこの肺転移像が自然消退することがあるとか,あるいは子宮原発巣の剔除によつて消失するという例があつたとしても,それはまれな例であり,私どもの症例でも子宮剔除後肺転移を認めた例は22%にもおよびその大半が死亡していることからも上記のような僥倖を期待しないで,積極的な治療方針をたてるべきと考えるが,さてその化学療法という点について少しく考察してみたい。
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