文献詳細
文献概要
My Technique in series・4
人工造腟術(上)—直腸曠置法
著者: 藤原幸郎1
所属機関: 1東京医科大学産婦人科教室
ページ範囲:P.336 - P.338
文献購入ページに移動 人工造腟術施行の可否に関する論議は,本世紀初めより諸家によつてなされてきたが,現在では施術を不可とする考えはほとんどみられなくなった。ただいかに安全に,術後障害をさけて,かつ自然に近い腟腔を,腟欠症に悩む婦人に与えるか,その術式の撰択については今日なお結論がみられていない。
したがって造腟術の術式は枚挙する暇がない。その各々について論議する紙面も与えられていないが,中山氏の案出した開腹による直腸曠置法は,新たに形成された腟腔の優秀さについては諸家の認めるところである。著者も十数年来中山氏法による造腟法を行なつてきたが,同法の肛門部操作によると肛門括約筋の損傷をさけることがきわめて困難であるため,術後の糞便失禁のごとき排便障害や肛門粘膜脱出等に悩む患者も少なくない状態であった。著者はこの点に留意して術式の改良を試み,昭和37年の日産婦総会に発表したが,その直腸吻合操作が多少面倒であるので,さらにこの部分の操作に改良を加え,直腸曠置法の術式としては満足すべきものと考えるので,本術式に対し読者諸賢の御批判と御追試をいただくことができれば誠に幸いである。
したがって造腟術の術式は枚挙する暇がない。その各々について論議する紙面も与えられていないが,中山氏の案出した開腹による直腸曠置法は,新たに形成された腟腔の優秀さについては諸家の認めるところである。著者も十数年来中山氏法による造腟法を行なつてきたが,同法の肛門部操作によると肛門括約筋の損傷をさけることがきわめて困難であるため,術後の糞便失禁のごとき排便障害や肛門粘膜脱出等に悩む患者も少なくない状態であった。著者はこの点に留意して術式の改良を試み,昭和37年の日産婦総会に発表したが,その直腸吻合操作が多少面倒であるので,さらにこの部分の操作に改良を加え,直腸曠置法の術式としては満足すべきものと考えるので,本術式に対し読者諸賢の御批判と御追試をいただくことができれば誠に幸いである。
掲載誌情報