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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻5号

1967年05月発行

文献概要

連載講座 産婦人科医のための血液学・5

胎児造血

著者: 古谷博1

所属機関: 1東京大学医学部分院産婦人科教室

ページ範囲:P.405 - P.411

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はじめに
 高等生物における現象には,はるかに遠い昔からの進化の道程が残つており,これは比較解剖学や比較生化学などの方法で理解していかなければならない。したがって,胎生期における造血の研究は,血球の個体発生には系統発生がくりかえされているかどうかを生物学的に把握するためにも,また病的な造血機序を考えるためにもきわめて重要な課題である。
 この問題は最近の新しい細胞化学や生化学によつて次第に解明されつつあるが,今日までの系統的研究はMaximowにはじまり,わが国では勝沼,天野らによる細胞学的,形態学的研究が主流をなしていた。その最も重要な所見は,各種の血球に共通した原基がなく,一元論的にそれから各種の血球が自由に分化してくるということはなく,胎児の発育につれて出現してくる原基にはすでに機能的な分化があり,それぞれ出現してくる血球の種類は決定されているということである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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