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シンポジウム 産婦人科領域における保存的手術療法--第140回日本産科婦人科学会東京地方部会例会シンポジウムより
破壊性胞状奇胎の保存的手術療法
著者: 竹内正七1
所属機関: 1東京大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.448 - P.451
文献購入ページに移動 御指名により,破奇(destructive mole)の保存的手術療法についての教室の経験について御紹介申上げ,その問題点について考えて見たいと思います。
本症の治療法としては,原期として子宮全摘出術を行なうことであるとされており,時々化学療法も併用されることがあります。しかし,児を熱望している若年婦人においても,一律に子宮全摘を行ない,その妊孕力を奪うことはいろいろな問題点を残していると思います。そこで,なんとかして安全に子宮を温存して妊孕力を保持させようと工夫がされるわけです。その第一は最近,Hertzらによりprimary chemotherapyとして提唱されているように,化学療法単独で治療する試みです。しかし,現実に化学療法を行なつても奇胎掻爬後Friedman反応が8週以上たつても陰性化しないときは不安が残ります。ことに単なる奇胎なのか,破奇なのか,さらには絨腫(chorionepitheli—oma)なのか明碓な診断をつけることができないまま,化学療法を行なうことは不安であります。
本症の治療法としては,原期として子宮全摘出術を行なうことであるとされており,時々化学療法も併用されることがあります。しかし,児を熱望している若年婦人においても,一律に子宮全摘を行ない,その妊孕力を奪うことはいろいろな問題点を残していると思います。そこで,なんとかして安全に子宮を温存して妊孕力を保持させようと工夫がされるわけです。その第一は最近,Hertzらによりprimary chemotherapyとして提唱されているように,化学療法単独で治療する試みです。しかし,現実に化学療法を行なつても奇胎掻爬後Friedman反応が8週以上たつても陰性化しないときは不安が残ります。ことに単なる奇胎なのか,破奇なのか,さらには絨腫(chorionepitheli—oma)なのか明碓な診断をつけることができないまま,化学療法を行なうことは不安であります。
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