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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻8号

1967年08月発行

特集 子宮頸癌の手術療法--その5つの問題点をめぐつて

手術時の2,3の配慮

著者: 橋本清1

所属機関: 1岡山大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.627 - P.629

文献概要

I.リンパ節廓清の時期および範囲
 近年リンパ節廓清を先行することが頸癌根治手術として一般化してきた。しかし,先行するというその時期や方法も細部に於いては術式ごとに若干の差があるように思われる。
 現在私達が行なつている術式は次の通りである。開腹後の局所所見の判定からいよいよ手術実施と決定したならば,円靱帯,漏斗骨盤靱帯の結紮切断,広靱帯の展開後にまず膀胱側腔を開放して基靱帯根部を一応調べてみる。ついで外腸骨血管に沿つて腹膜を剥離挙上し,側鉤をかけて牽引して総腸骨血管を露わす。その外側にある総腸骨節よりはじめて,外腸骨節〜外鼠径上節〜内鼠径上節〜閉鎖節〜内腸骨節の順序でリンパ節およびそれを含むおそれのある脂肪織を丁寧に廓清する。子宮動脈の結紮切断,尿管の広靱帯後葉よりの剥離,直腸・腟間の剥離,直腸側腔の展開を終つてから改めて基靱帯根部の廓清を行なう。子宮摘除を完了し,止血処理を終えてから改めて骨盤壁を精査してリンパ節遺残の有無を確かめる。殊に基靱帯根部附近は細心の注意で精査し,遺残のないことを確認してから骨盤腹膜を閉じる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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