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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻8号

1967年08月発行

特集 子宮頸癌の手術療法--その5つの問題点をめぐつて

子宮頸癌手術時の播種性再発の重要性

著者: 川上博1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.629 - P.632

文献概要

I.リンパ節廓清の時期および範囲
 岡林式系統的広汎性子宮摘出術の特徴はまず基靱帯を一括して骨盤壁になるべく接近して二重に挾み,切断し,しかる後に原発巣に近い,膀胱や尿管の遊離を行なう点にある。このような順序で手術を行なうことによつて尿管の遊離,膀胱の剥離などを行なう際に原発病巣をいかに圧迫しても病巣からの癌細胞のリンパ管内流出を防ぐことができる。
 もし,逆に原発病巣付近の操作をさきに行なうことの操作中病巣を圧迫することによつて,癌細胞はリンパ流内に流出して拡散し,その後基靱帯の血管のみを露出するようなことを行なうとリンパ管は切断され,手術野に癌細胞は散布されることになる。岡林式手術はこのように基靱帯をまず挾んでリンパ流を遮断し,基靱帯内のリンパ管を切断することなく一括して基靱帯全部を挾んでリンパ液の流出を起こさないようにする点が特徴である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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