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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻9号

1967年09月発行

特集 流早産の原因と治療の問題点

流産と染色体異常

著者: 松田正二1 藤本征一郎1

所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.703 - P.708

文献概要

はじめに
 1956年,Tjio (米),およびLevan (スェーデン)により人類の染色体研究の端緒がほどかれて以来,3年後にはLejeune (フランス)がDown'ssyndromeの患者にTrisomyを発見し,ついで,Jacobs and Strong (英)によりKlinefelter'ssyndrome, Ford (英)によりTurner’s syndromeの染色体構成が明らかとなつた。これらの報告がきつかけとなつて先天性異常の染色体研究は急速な進歩をとげてきたのである。
 古来,流早産の原因に関する研究には,種々なる分野より莫大な努力がはらわれてきたが,その核心に到達することは困難のようであつた。従来より流産の原因の一つとして考えられていた「妊卵の異常」という事象は,解剖組織学的検索のみでは十分なる究明はなしえなかつたが,近年,染色体研究技術の進歩にともない,細胞学的レベルから,その一角を検討することが可能となり,この分野における急速な発展がなされつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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