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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻9号

1967年09月発行

文献概要

特集 流早産の原因と治療の問題点

流早産における内分泌的因子

著者: 前山昌男1

所属機関: 1奈良県立医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.717 - P.720

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はじめに
 流早産の因子としての内分泌環境(いわゆるendocrine abortion)に関する報告は枚挙に暇がない。しかし治療面から見た場合,現在のhor—mone療法は少数の例外はあるが,きわめて悲観的である。ヒトにおける排卵,受精,着床,妊娠ならびに分娩という一連の生殖現象のいずれの面においても,根本的な不明点を残している現在の医学では当然のことと考えられる。しかし他面において内分泌学は急速かつ驚異的な進歩を遂げつつある。すなわち1) hormoneの超微量測定→hormoneの代謝過程→特殊の内分泌疾患の解明,2) hormoneの生物,生理,薬理作用の究明→強力なるhormoneの合成,したがつて妊娠に関しても絨毛性性腺刺激ホルモン(HCG)における免疫学的妊娠反応,estriolによる胎児,胎盤機能判定など少なからずこの恩恵を被つている。
 endocrine abortionに関する報告の多くは悲観的ではあるが,しかしこの問題に関する研究は年々新しい角度から検討が加えられつつある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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