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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科21巻9号

1967年09月発行

誌上シンポジウム"新生児"・8 新生児の臨床病理

新生児の臨床検査法

著者: 斉藤正行1

所属機関: 1東京大学医学部分院中央検査部

ページ範囲:P.737 - P.741

文献概要

 それでは新生児の臨床検査法という問題について,少し私たちが試みたりあるいは考えておりますことを申し上げてみたいと思います。ただ私が実際に新生児にぶつかつたのは15年くらい前でございまして,ここ10年くらいは一般検査屋になつており,ただ受け身に婦人科,小児科から依頼されているだけですので,新しいことはあまり存じません点,お許しいただきたいと思います。
 先ほど北川先生からお話がありましたように,できるだけ早く新生児期にスクリーニングすることが望ましいのですが,新生児は摂取量が少ない(つまり負荷が小さい),それから胎内で臍帯血を経て母親の力を借りて代謝が営まれている関係上,多少自分が分解できないようなものが入つても,まだ尿にまでそれが出てくる程血中に停滞せず,従つて尿では障害を探知できないものも少なくないのです。そのいい例が先ほど北川先生からお話がありましたPhenyl ketonuria,これを実際,産婦人科や産院などで母親が退院するときに検尿をやつても発見率は非常に低いわけでして,当然もつと一歩手前,つまり血液でとらえなくちやいけない。ではどうやつて新生児から血液をとつたらいいだろうか,ということにぶつかると思います。また15年くらい前には高蛋白牛乳が未熟児や新生児にいいと,ある先生が宣伝をされたところ,軒並みに子供が高クロール血症acidosisを起こしてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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