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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻10号

1968年10月発行

今月の臨床 着床--今日の焦点

家兎胞胚の構造と機能

著者: 林基之1 木下佐1 岩城章1 間壁さよ子1 西脇俊幸1 平川舜1

所属機関: 1東邦大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.841 - P.847

文献概要

はしがき
 ほ乳類の受精卵は受精後一般の体細胞とは異なり,原の細胞質の細分化である卵分割を開始し,その細胞数を次第に増し桑実胚となるが,この時期の胚全体の大きさには著変がない。その後子宮腔内進入前後に分割球は胎芽胚葉と栄養胚葉に分化し,胚は胞胚(Blastula,Blastocyst)と呼ばれ,その構造はあたかも成熟卵胞の卵胞腔,卵丘,顆粒膜細胞層を思わせる胞胚腔,内細胞塊(inncr cellmass),栄義胚葉層が形成される(図1)。子宮内膜への着床は桑実胚はもちろん初期胞胚でも不可能であり,子宮腔内でさらに発育し,始めて可能となる。したがつて胞胚と卵管卵では前述のごとき形態学的差異の他に種々の機能的相違が認められる。この点についてはFriedhandler,Lutwak-Mann等多くの業績があり,呼吸能の増加,解糖系の差,胞胚液中含有物質の変化等が報告されている。
 当教室ではすでにOogenesis,卵巣および卵管卵の比較解剖,組織化学,Autoradiograph,Cinema-tograph,卵の移植実験等について報告しているが,現在家兎胞胚について実験中であり,その成績について紹介したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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