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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻10号

1968年10月発行

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Hydrops foetalis/妊婦の肝炎・腎不全

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ページ範囲:P.847 - P.847

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 胎児の重症浮腫の成因は低蛋白・肝不全・毛細管傷害など説が多いが,胎盤の水分輸送機序に異常があることはまちがいない。本症て救われたというのは極めて稀で1966年末までに13例の報告をみるにすぎない。著者は4例を報じ,静脈切開,腹膜潅流,陽圧呼吸,抗生物質,ジギタリスで治療する方法を考按し,2例を完全に救いえた。帝王切開で分娩,直ちに鼻・気管チューブ挿管,臍静脈からカテで交換輸血,レスピレーターによる陽圧呼吸,Hb100%となつたら小切開で開腹,腹膜潅流をはじめ,変換輸血中止。潅流液はNa 135,K 2,糖4.25g/100mlで始め,浮腫が去つたら,Na 140,K 4,糖1.5gとし,Mg 1.5,Ca 4.5,lactate 45を加える。流速60〜120ml,この間ヒトアルブミン20g輸注。分娩10時間後,第2回交換輸血。
 1例を引用すると26才健康母体,A,Rh(−),前2回の分娩は正常。第3回Rh抗体上昇,浮腫あり,羊水穿刺す。ビリルビン8.1μmol/l。amniographyでhydrops foetalisと診断。帝王切開,予定より4週早く生れ3400g,窒息状,心拍100,チアノーゼつよく反射・自発呼吸なし。腹水・浮腫高度。直ちに上記の方法開始,透析はおくれ14時間で始めた。透析で740mlの水分除去,体重2190gとなる。結局1210mlの水分が除去された。心停止が起つたが体外心マッサージで回復,ECGは房室ブロックでジギの作用。肺炎合併,pseudomonas(+),6週ですべて全治し退院できた。こうした重症のhydropsは少いものだが,手早く,著者法をこころみれば救うチャンスの大なることが強調されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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