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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻10号

1968年10月発行

薬の臨床

Mestranolの排卵抑制作用,特に妊娠阻止作用の機序を中心として

著者: 林要1 三浦義正1 西川義規1

所属機関: 1神戸大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.899 - P.904

文献概要

I.緒言
 Sturgis and Albright1)(1940)およびLyon2)(1943)らがestrogenによる排卵抑制を最初に報告したがその後,後記する様な種々の理由から婦人の受胎のホルモン管理にestrogenの使用は考慮されなかつた。ところが最近,Goldzieher(1963)らは経口合成estrogen,mestranol 0.08mgを1日量として20日間投与し,chlormadinone 2.0mgを周期の最後の5日間投与する,いわゆる,sequen-tial regimenを受胎調節の1方法として第7回Inter-national Conference on Planned Parenthoodに於いて報告して以来,多数の追試者を見るに至つた。この方法は最初よりestrogenとgestagenの混合剤を内服させるcombination regimenとは異なり,そのhormonemilieuはより正常月経周期に近い状態にあることは推測に難くない。しかも,高価なgestagenを大幅に節約して費用を低下させ得るので,oral contraception発達の一段階を劃する方法といえる。
 我々はEisai社提供のsequential oral contraceptiveであるSEQUENS®を使用する機会をえた。すなわち昭和39年6月より昭和41年2月まで本学産婦人科外来を訪れた14例に対し6〜24周期の間,SEQUENSを継続服用せしめ,延300周期の観察を行ない特に本剤服用中のホルモンの推移および頸管粘液の性状について若干の知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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