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特集 新生児研究の問題点
新生児の染色体検索について—特に検索法の改良を中心として
著者: 八神喜昭1 野口昌良1
所属機関: 1名古屋市立大学医学部産婦人科学教室
ページ範囲:P.926 - P.930
文献購入ページに移動はじめに
最近染色体の研究が医学の分野でも盛んとなり,特に臨床医学との結びつきによる発展にはめざましいものがあるといえよう。すなわち,1961年,Penrose1)の流産胎児に対する染色体異常の報告に始まり,1967年には,Carr2)による200例以上の検索結果が発表されるに及び,ターナー症候群,クラインフェルター症候群などの発見と共に,産婦人科領域においても,一つの大きな分野を占めるに至つた。そして,流産胎児に於ける染色体異常の多発の報告と共に,一方に於いては,こうした染色体異常の個体が,新生児の中にも可成りの頻度で存在する事が明らかにされるに及び,この分野に於ける染色体検査の重要性が高く叫ばれる様になつてきたのは,むしろ当然のことといえよう。
一方,岡田3)らの報告によれば,精薄施設の収容児の中には可成りの頻度で染色体異常が存在するといわれ,また,1966年には千葉県の船橋市立藤原学園にダウン症児のみの特殊クラスが作られ,教育がはじめられ,その他種々な所でダウン症の系統的な検索がなされる様になり,染色休異常児の取扱い方に対する対策が建てはじめられ,染色体異常児というものの社会的な取扱い方が問題にされる様になつてきた。
最近染色体の研究が医学の分野でも盛んとなり,特に臨床医学との結びつきによる発展にはめざましいものがあるといえよう。すなわち,1961年,Penrose1)の流産胎児に対する染色体異常の報告に始まり,1967年には,Carr2)による200例以上の検索結果が発表されるに及び,ターナー症候群,クラインフェルター症候群などの発見と共に,産婦人科領域においても,一つの大きな分野を占めるに至つた。そして,流産胎児に於ける染色体異常の多発の報告と共に,一方に於いては,こうした染色体異常の個体が,新生児の中にも可成りの頻度で存在する事が明らかにされるに及び,この分野に於ける染色体検査の重要性が高く叫ばれる様になつてきたのは,むしろ当然のことといえよう。
一方,岡田3)らの報告によれば,精薄施設の収容児の中には可成りの頻度で染色体異常が存在するといわれ,また,1966年には千葉県の船橋市立藤原学園にダウン症児のみの特殊クラスが作られ,教育がはじめられ,その他種々な所でダウン症の系統的な検索がなされる様になり,染色休異常児の取扱い方に対する対策が建てはじめられ,染色体異常児というものの社会的な取扱い方が問題にされる様になつてきた。
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