文献詳細
特集 婦人科造影の臨床
骨盤動脈撮影—絨毛性腫瘍を中心として
著者: 川島吉良1 中島貞利1 伊藤巌1 可世木成明1 佐久間貞行2
所属機関: 1名古屋大学医学部産婦人科学教室 2名古屋大学医学部放射線医学教室
ページ範囲:P.1049 - P.1057
文献概要
産婦人科領域における血管造影はDos Santos(1931),Coutts (1935)らの報告に始まり,その後Seldinger (1953)氏法の普及に伴い,骨盤内腫瘍のみならず胎盤の附着部位,子宮胎盤循環,子宮外妊娠に関する諸家の報告がある。
なかでも絨毛性腫瘍のごとき血行に富むものの診断には価値が認められている。Borell (1955)一派は絨毛性腫瘍(以下絨腫瘍と略す)に特有な血管像を指摘し胞状奇胎(以下胞奇と略す)と破壊性奇胎(以下破奇と略す)・絨毛上皮腫(以下絨腫と略す)とを鑑別し得ると述べた。本邦においては相馬ら(1959)は絨腫瘍全体としての血管像について着目した。
掲載誌情報