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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻12号

1968年12月発行

薬の臨床

妊娠貧血の治療について—特に鉄・アスコルビン酸およびV.Eの三者併用療法

著者: 藤森博1 浅桐英男1 江口浩美1

所属機関: 1国立岡山病院産婦人科

ページ範囲:P.1071 - P.1075

文献概要

はじめに
 妊娠そのものが原因となつて起こる貧血には,主にいわゆる生理的妊娠貧血・鉄欠乏性貧血および妊娠性悪性貧血の3種があるといわれている。中でも鉄欠乏性貧血および生理的妊娠貧血がその大部分を占めている。最近では,予防医学の普及に伴い妊娠中の造血剤の投与の必要を唱える人が多く,造血剤の改良と相まつてその予防治療面での発展も大きいものがある。鉄の投与法として鉄とV.Cを併用すると鉄の吸収が良くなることが古くから知られている。すなわちアスコルビン酸(V.C)とかチスティン蛋白のSH基などの還元性物質が2価の鉄イオンを保護し安定化して呼吸がよくなると考えられている。われわれは妊娠後半期(妊娠8,9ヵ月)における鉄欠乏性貧血患者に鉄単独・鉄アスコルビン酸・鉄+VE・鉄+VC+VEの4群に分かち実験を行ない,鉄+VC+VEの投与群において他の投与群に比し顕著なHbの上昇を認めたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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