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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻2号

1968年02月発行

文献概要

特集 最近の産科感染症--その診断と治療

菌感染についての概論

著者: 桑原章吾1 五島瑳智子1

所属機関: 1東邦大学医学部微生物学教室

ページ範囲:P.101 - P.105

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はじめに
 微生物が生体組織内に侵入して増殖すると,宿主は侵入した微生物種,あるいは寄生部位の組織に特有の反応を示して,多くの場合,微生物の拡大増殖を妨げるとともに,積極的にこれを殺滅しようとする。微生物と生体のこのような斗いの経過はいわゆる「炎症」なる病理学的変化で特徴づけられている。感染症の症状は,いわば炎症の起こりかたによつて規制されているのである。
 感染症の過程は,病気の起こつている時点で身体のどこかに両者の干渉が起こつたというだけでなく,その進行の過程を通じて,宿主側の防衛能力に長期にわたる変化—防衛力の増強,あるいは逆に過敏性の発現など—を誘発するという面で,宿主の身体になかなか消えない「足跡」を残すことが多く,それがあるばあいには,つぎに起こる感染症の経過を微妙に左右することがある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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