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臨床婦人科産科22巻2号

1968年02月発行

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Rhイソ免疫に対する子宮内輸血/正常および発育おくれた新生児

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ページ範囲:P.105 - P.105

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 Rhイソ免疫の15%は流産してしまうが,Liley(1964)が胎内輸血法を導入して以来,胎内生命を延長させ,出産しても生活しうるようにする可能性が出て来た。著者らは1965,1966両年の経験を吟味した。胎内輸血法について簡潔に触れ,おこりうる事故について警戒した。さて1965年度7名に10回の胎内輸血(4名1回,3名各2回),その結果,流産4,生産後溶血死1,survival28%。
 これに対し,対照9例(輸血せず)ではsurvival 66%。つまり,胎内輸血は全く無効のように見えた。しかし胎内輸血例は,より重症がえらばれ,liquor ratio (1.37)が非輸血(1.18)より高かつた等の因子もあり,手術の困難さが死亡の高い一因にもなつたと考えられた。1966年は28例に対し67回の胎内輸血を行い,survival 54%を得た。流産11例のうち9例の死亡は,輸血が終つて早期に流産が起つたものである。妊娠30週以後の胎内輸血は6例のみであるが,うち1例は,輸血手技のとき更に腹水110mlを抜去,輸血後10日で生産,流血にはdonorcellは発見できなかつた。生産16例は第35〜37週間におこつた。1例だけが輸血後16日で,35週目におこつた(premature)。生産児の罹病19例で,そのあるものは100%Rh(−)donor cellとなつて直接Coombs(−),残るものはRh(+)胎児血球が5%ほどあり,strong抗体でcoatされCoombsテストが異つた出方をした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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