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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻2号

1968年02月発行

特集 最近の産科感染症--その診断と治療

トキソプラズマ症

著者: 古賀康八郎1 宮城茂樹1

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.131 - P.136

文献概要

はじめに
 Toxoplasma(以下トと略記する)症は人獣伝染症の一つであって,動物のト原虫が人に移行して発生するものである。
 Toxoplasma原虫は1980年Nicolle & Manceauxによつて,ヤマアラシの一種Ctenodactylus Gon-diiから発見され,Toxoplasma Gondiiと名づけられたもので,その後,哺乳類,鳥類,爬虫類等から相ついで発見されている。人からは1937年Wolf & Cowen等により,痙れん発作を頻発し生後30日で死亡した新生児より発見されたのにはじまり,世界各地で盛んに報告されるようになつた。わが国でも1911年峰がもぐらより本原虫を発見しているが,人では1954年宮川等が4人の脳水腫の患者より発見したのが最初の報告である。つづいて宮崎(1955),松林(1955),大鶴(1958),常松(1958)等により多数の症例が報告されてきた。その後,皮内反応,色素試験,補体結合反応,赤血球凝集反応等が相ついで発見され,本症の特異的血清学的診断法が進歩するにつれ,人および動物間に広範な不顕性感染のあることが明らかにされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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