文献詳細
文献概要
研究
Gonadotropin持続優位による子宮頸癌の発生
著者: 林義夫1
所属機関: 1北海道大学医学部産婦人科教室
ページ範囲:P.301 - P.310
文献購入ページに移動はじめに
子宮頸癌の発生とホルモンとの関連は古来多くの実験や推論が行なわれてきたが,今日なお全く不明の分野といえる。
動物実験的にはステロイドホルモン,なかんずくEstrogenについての数多くの報告があり,Estrogenが子宮頸癌の形成を誘発したり,促進したりするという報告が多くみられ1〜12),それらがふえんされて,ヒトにおける頸癌の発生もEstro-gen優位環境と結びつけて説明された報告がみられる13)〜18)。けれどもそれらには反論も多く19,20),特にEstrogenによる動物実験癌発生の報告も,その大多数あるいはほとんどが癌原物質との併用負荷であつたり,他の外傷性刺激を加味したものであつたりして,今日までEstrogen単独による上皮性癌の発生についての効果は認められず,単に助発癌因子としての作用が考えられるに過ぎない。
子宮頸癌の発生とホルモンとの関連は古来多くの実験や推論が行なわれてきたが,今日なお全く不明の分野といえる。
動物実験的にはステロイドホルモン,なかんずくEstrogenについての数多くの報告があり,Estrogenが子宮頸癌の形成を誘発したり,促進したりするという報告が多くみられ1〜12),それらがふえんされて,ヒトにおける頸癌の発生もEstro-gen優位環境と結びつけて説明された報告がみられる13)〜18)。けれどもそれらには反論も多く19,20),特にEstrogenによる動物実験癌発生の報告も,その大多数あるいはほとんどが癌原物質との併用負荷であつたり,他の外傷性刺激を加味したものであつたりして,今日までEstrogen単独による上皮性癌の発生についての効果は認められず,単に助発癌因子としての作用が考えられるに過ぎない。
掲載誌情報