文献詳細
文献概要
症例
シモナルト帯を伴う半頭蓋児脳脱出の1例
著者: 市橋進1
所属機関: 1東急病院産婦人科
ページ範囲:P.327 - P.332
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最近,比較的まれとされているシモナルト帯(Simonarts Amnionstränge)を有する半頭蓋脳脱出の症例で,妊娠中に外内診により半頭蓋児を疑い,レ線単純撮影により確診しえた1例に遭遇したので報告すると共に,脳脱と同じ範疇に入る無脳児の症例21例を選び,文献より摘出し,臨床的諸事項を統計的に観察したので併せて記載する。無脳児1)は頭部が特異的でFroschkopf, Kreterkopf,Katzenkopfといわれ,清水2)によればその頻度は,多い統計ではKehrerの1/1,000, 少ない統計では1/5,000であるという。また従来頭蓋骨欠損の奇形は,無脳児,半頭児,無頭蓋児,脳脱出等の名称で報告され,それらの間の定義分類に混乱があり明確性を欠くところがあつた。すなわち従来の報告の中には半頭蓋児と脳脱または無脳児,半頭蓋児,無頭蓋児が区別されないでほとんど無脳児の名称で報告されていた。しかし三谷,香川等1)により頭蓋骨欠損の整理された分類が発表されて以来,この分類法が非常に分かりやすくかつまた系統化されている。
最近,比較的まれとされているシモナルト帯(Simonarts Amnionstränge)を有する半頭蓋脳脱出の症例で,妊娠中に外内診により半頭蓋児を疑い,レ線単純撮影により確診しえた1例に遭遇したので報告すると共に,脳脱と同じ範疇に入る無脳児の症例21例を選び,文献より摘出し,臨床的諸事項を統計的に観察したので併せて記載する。無脳児1)は頭部が特異的でFroschkopf, Kreterkopf,Katzenkopfといわれ,清水2)によればその頻度は,多い統計ではKehrerの1/1,000, 少ない統計では1/5,000であるという。また従来頭蓋骨欠損の奇形は,無脳児,半頭児,無頭蓋児,脳脱出等の名称で報告され,それらの間の定義分類に混乱があり明確性を欠くところがあつた。すなわち従来の報告の中には半頭蓋児と脳脱または無脳児,半頭蓋児,無頭蓋児が区別されないでほとんど無脳児の名称で報告されていた。しかし三谷,香川等1)により頭蓋骨欠損の整理された分類が発表されて以来,この分類法が非常に分かりやすくかつまた系統化されている。
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