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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻4号

1968年04月発行

薬の臨床

Human Menopausal Gonadotropin(HMG)による排卵誘発について

著者: 新家薫1 野寄靖男1 鎌田慶三1

所属機関: 1順天堂大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.368 - P.376

文献概要

はじめに
 無月経,不整月経周期等の無排卵の不妊婦人に対して,人工的に排卵を誘発する試みは過去30年来,基礎,臨床の両面より多数の研究が行なわれてきたが,排卵誘発率は低く,たとえ排卵しえても,妊娠の成立,さらに分娩に至る例は非常に少ないのが現状である。
 私共の教室も排卵誘発法として,黄体期にProgeste-roneを投与してrebound効果を期待するHolmstorm法,EstrogenとGestagenを投与して人工的な月経周期を反復してreboundを期待するいわゆるKaufmann法,結合型Estrogen (Premarin)によりHoulweg効果を期待する方法,中間代謝ステロイド(Metharmon)を投与する方法,HCGを投与する方法,PMS, HCGを投与する方法等を行なつてきたが,いずれも決定的な効果を期待できなかつた。その1つの原因として,無月経,無排卵患者の分析が十分行なえなかつたため適切な治療を行なえなかったためであり,一口に卵巣機能不全症といつても,卵巣自身に欠陥のあるいわゆる卵巣性無月経はその頻度が少なく,大多数はいわゆる中枢性無月経であるため,PMSを投与して直接卵巣を刺激する方法が主に行なわれたためである。というのもPMSは異種蛋白質であるため,長期間投与すると中和抗体が発生して治療が無効になることが多く,この点抗体産生がないといわれるヒトの下垂体性Gonadotropin剤の出現が期待されていた。しかし近年2種類のヒト下垂体性Go-nadotroPin剤が開発された。すなわちHPG (HumanPituitary Gonadotropin)とHMG (Human Menopau-sal Gonadotropin)である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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