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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻5号

1968年05月発行

研究

新生児黄疸に関する研究(第5報)—臍帯拍動停止時間とBilirubin値および血液所見との関係

著者: 舘野政也1 小出春樹1 丸山裕史1

所属機関: 1金沢大学医学部産婦人科教室 2富山県立中央病院産婦人科

ページ範囲:P.405 - P.411

文献概要

はじめに
 新生児黄疸を主症状とする疾病の取扱いについては発生原因によつて異なることは申すまでもない。すなわち,1)単純性黄疸(生理的黄疸)2)早発性黄疸(ABO型溶血性黄疸)3)早発遷延性重症黄疸(Rh型溶血性黄疸)4)遅発遷延性重症黄疸,5)遅発特発性重症黄疸(胆道障害)など種々の原囚による黄疸が発生する。その他,新生児黄疸発生の因子としては脳の酸素欠乏,仮死,血糖,分娩時間,吸引器分娩など種々の要因があげられ,新生児黄疸発生機構は複雑である。けれども現在血清総Bilirubin値が20mg/dl以上の場合にはその治療として交換輸血を行なうべきであるとする考え方が支配的である。このことについては我々はBilirubin値はその測定技術者,測定場合,測定方法などによつて左右されるところが多く,必ずしも一様でないことを指摘し,各病院のBilirubin値の平均値を求めておくべきであり,それにもとづいて治療をすすめてゆくべきであることをしばしば報告してきた。すでに我々は新生児黄疸に関する1連の研究から,ゆきすぎた交換輸血に対し警告を発し,さらにGlutathionによる新治療法を発表した1)2)3)4)。今回我々は臍帯拍動停止時間が新生児黄疸および血液所見に対して何らかの影響を与えているのではないかと考え新生児(成熟)111例について観察し,若干の知見を得たので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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