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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻5号

1968年05月発行

薬の臨床

腟カンジダ症に対するキャンドラ腟錠の使用経験

著者: 吉田順一1 大内正規1

所属機関: 1徳島大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.449 - P.452

文献概要

はじめに
 婦人科外来を訪ずれる患者のうち,帯下を主訴とするものは極めて多く,したがつてその治療には重大な関心がはらわれていることはいうまでもない。帯下は普通その発生場所により外陰・腟・頸管・体部・卵管帯下等に分類され,その原因は細菌,真菌,原虫等による炎症のほか種々な腫瘍,または物理化学的刺激による2次的な炎症もあげられている。他方帯下は,これら局所的因子の他に全身的,体質的,精神的等の因子も加わつて発現するもので,決して単一な病因によるものではない。特に近年幾多の抗生物質の台頭によりいわゆる菌交代現象としての真菌症が多くなり,これに基ずく腟,外陰疾患も頻発するに至つた。したがつてこれらに対するいわゆる抗真菌剤も種々開発され市販をみるようになつた。そのうちchlorquinaldolを主剤とするキャンドラ腟錠を用いて腟カンジダ症に対する治療を行ない若干の成績を得たので,その概要を報告する。
 chlorquinaldol (C.Q.D.)は,1956年以来,米国医師会の指定医薬品集に記載された下記の構造を有するキノリン系抗菌物質であり,キノホルム(5-chloro−8 iodo−8hydroxyquinolin)とほぼ同程度の抗菌力を示すが,ヨードを含まない点で実用上に多くの利点がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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