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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻6号

1968年06月発行

研究

ひとの胎児期より成人に至るまでの消化管酵素値の推移—特に新生児の胃酸とペプシンの知見補遺

著者: 鈴木雅洲1 仲村恒1

所属機関: 1新潟大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.481 - P.491

文献概要

はじめに
 この問題に関しては,過去に幾多の業績があるにもかかわらず,これを系統的にまとめた成書に乏しいので,今般,著者らの行なつた新生児の胃酸とペプシンの知見とともに,ここに一括して記載し,この基礎的問題に触れてみたい。
 酵素のうちで,消化酵素は古くから知られており,主なるものを列記すると,唾液腺および唾液アミラーゼ,膵臓および膵液アミラーゼ,上部小腸粘膜に多量に存在する2糖類分解酵素1)(malta-se, lactase, invertase, etc.),胃粘膜主細胞中の顆粒にペプシンのprecursorたるペプシノーゲンとして含まれ,胃液中に分泌され,胃粘膜壁細胞より分泌される塩酸により活性化されるペプシン,膵臓中に酵素原たるトリプシノーゲンとして含まれ,膵液中に分泌され,十二指腸粘膜のエンテロキナーゼにより活性化されるトリプシン,小腸壁に存在し,ペプチードを分解するペプチダーゼ2)(erepsin, etc.),膵液中にあり中性脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解するリパーゼや胃腸管エステラーゼなどがある。アミラーゼは,澱粉をデキストリンに分解し,その際に,塩化ナトリウムは必須である。マルターゼは麦芽糖を,ラクターゼは乳糖を,インベルターゼは蔗糖を,それぞれ単糖類にまで分解する。インベルターゼを,最近では,sucrascと呼ぶ。その他,近年では,isomaltaseやcellobiaseも測定されている(後述)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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