icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科22巻8号

1968年08月発行

グラフ

視床下部および正中隆起の電顕像

著者: 小林隆1 小林拓郎1 山本皓一1 貝原学1 味香勝也1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.625 - P.629

文献概要

 ゴナドトロピンをはじめとして前葉ホルモンの多くは,間脳の視床下部からの神経線維から分泌されるいわゆるReleasing Fac-tor(RF)によつてその産生,放出が調節されている。このRFは,第3脳室の底をなす正中隆起(med.emin.)において下垂体門脈の起始毛細血管網に放出され,門脈を通じて前葉に運ばれる(図1)。したがつて正中隆起(図2)こそは,ゴナドトロピンなどの前葉ホルモンの分泌を調節する神経性の機序がRFという体液性の機序に転換される,最も重要かつ興味深い部位といえる。
 正中隆起を電子顕微鏡により観察すると,図3のような微細構造を有しており,第3脳室側から最外側の前葉結節部にかけて,上衣細胞層,内層,外層が区別される。内層(図4)には多数の無髄神経線維の他に少数の有髄神経線維があり,いずれも視索上核,旁室核から下垂体後葉に向う線維で,中に直径110mμ前後および180mμ以前の顆粒が含まれている。このうち大型の顆粒は,下垂体後葉ホルモンの坦体と考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら