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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科23巻10号

1969年10月発行

文献概要

特集 新生児薬物療法

新生児乳児梅毒

著者: 佐野彰1 吉松彰2

所属機関: 1都立墨東病院産婦人科 2都立墨東病院小児科

ページ範囲:P.873 - P.877

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I.新生児梅毒
 新生児・乳児梅毒の治療を考える際には,第一に在胎期間内に母体からの感染を防止すること,すなわち妊娠梅毒の治療を適正に行なうことがまず肝要なことであるといえる。特に新生児梅毒の治療は,とりもなおさず妊婦梅毒を治療し,先天梅毒児を出生させないことから出発すると考えられる。
 近年,梅毒に対する血清学的診断法と治療法の進歩により,妊婦梅毒の治療も効果をあげてきている。戦後ペニシリンを中心とした各種抗生物質の積極的な使用が始まり,重金属塩類の併用,さらに保健衛生管理の普及によつて昭和23年をピークとした梅毒患者は減少の一途をたどり,ほとんど撲滅した感さえあったが,昭和36年ごろから顕症梅毒患者例が報告され,これを境にその後は特に20〜30歳代の青年層に梅毒が蔓延しはじめてきている。東京都衛生年報による全国の梅毒患者数は表1のとおりである。結婚適齢期の女子の梅毒感染の蔓延と青年(男子)層の顕症梅毒の増加は当然妊婦梅毒の増加に重大な影響を与えることは,自明の理であり,多くの文献でもすでに忠告されていることである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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