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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科23巻12号

1969年12月発行

文献概要

特集 産婦人科 今日の焦点・Ⅱ

月経前緊張症

著者: 橋口精範1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1023 - P.1026

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はじめに
 月経前緊張症premenstrual tensionとは,月経開始の前の時期に起こつてくる精神的ないしは身体的症状が,生理的範囲をこえて強く現われるものを呼び,多くは月経開始の7〜10日位前から現われ,月経開始と同時にまたは月経開始後まもなく消失する一連の症候群をさすもので,神経症状や乳房症状が主体であり,周期的にくり返すものであるということができる。そしてこれが高度になると日常の業務にもさしつかえるものもあるくらいである。
 そもそもこの症候群は,Frank(1931)によつて初めて記載されたが,Greenhill & Freeaによれば,これらのうち,精神症状を主体とするものを月経前緊張症とよび,神経症状を主体とするものを月経前困難とした方がよいとか,Greene &Daltonによれば,月経前期症候群とよぶものもあるが,この場合は乳房症状として別に扱つた方がよいではないかということもあつたが,そのように区別するということは実際不可能でもあり,現在では月経前緊張症,月経前期症候群ともに同じようによばれているのが実情のようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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