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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科23巻2号

1969年02月発行

外国文献

経口避妊剤と血栓栓塞症

ページ範囲:P.94 - P.94

文献概要

 この問題については多数の文献,WHO報告などもあるが,これら多くの報告をあつめて展望をこころみるに,受胎期の非妊婦は入院者て平均0.91/1000婦人/年,通院者で2.2/1000/年の頻度で血栓塞症(TE)を呈する。産後期でも欧州10.4/1000分娩,米国2.6〜6.4(平均3.1)/1000分娩前では0.74/1000妊婦/年。さてこれを基礎として,経口避妊薬を用いた初めのころ(1961まで),TEほとんど報告なく4,271例のnore-thynodrel+mestral使用者中possi-ble TE 1例のみ。TEをはじめて確かめたJordan (1961)以後TrlerまでのOC使用4,427名のうちTE3例のみ,これらはしたがつて偶然の合併といわれてもいたし方なかつた。さて,OC合併症大規模調査Satterthwaite (1962),Kirchoff (1965),Rice-Wray(1964),Tyler(1964),Frank (1965)を集計するとOC使用50,781例中,TE 28例,つまり0.55/1000婦人/年で,OC使用がTE発生率を高めているという成績ではない。しかるに最近英国ICDは61,216例のOC使用者についてTE発生が2倍にふえるとしている(J.Coll.Gen.Pract., 13, 267, 1967).Vessey(1968)は反対にOC使用でも0.5/1000/年だとして増加を否定している。既往にTEのあつたものでOCを使つた婦人ども,TE新規発生は非使用と同率である(Heber 1967, Vessey 1968)。肺栓塞 (pE)は Ad Hoc Committee(1963)はOC使用1.21/100,000,非使用0.84/100,000で統計的に有意差なしであり,最近の英米の報告では,TE死亡率は男女とも20〜40歳の間に年々増加の傾向があり,OC使用とは関係がないといわれる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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