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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科23巻5号

1969年05月発行

文献概要

特集 卵管--その生理と臨床

卵管妊娠の保存手術

著者: 岩井正二1 太田哲夫1

所属機関: 1信州大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.393 - P.398

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はじめに
 卵管妊娠の治療は原則として手術療法であり,一般に行なわれている術式は卵管切除術である。これは当該側の受精可能性を完全に放棄することである。しかし子宮外妊娠の1/3は未産婦に生じ,また半数以上は再び妊娠を希望する婦人であり,さらには対側の卵管に外妊を反復する率が3〜8%といわれている。これらの事実から,子宮外妊娠の大多数を占める卵管妊娠に対し将来の妊孕力を保持するような手技が考えられた。すなわち卵管妊娠の保存手術はすでに1893年Muretが発表し,1920年にこの考え方がとり入れられた。しかし少数の人によつてのみ行なわれているのが現状で,これは後述するように術後の成績から考えて止むをえないと思われる。最近報告された卵管妊娠に対する保存手術の割合を表1に示す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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