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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科23巻9号

1969年09月発行

特集 分娩時出血--メカニズムとその対策

妊娠・分娩と線溶現象

著者: 長沢一磨1

所属機関: 1弘前大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.759 - P.765

文献概要

はじめに
 分娩終了後,子宮収縮もよく,かつ軟産道可視部にも認めうる裂傷がないにもかかわらず,子宮腔内からの持続的出血に悩まされることがある。このような場合,なにか血液の性状,特に凝固系を中心とした止血機構に異常があるのではないか,ということは誰しも容易に考えうることであろう。いま正常分娩時の生理的な出血量が,せいぜい200〜300ml (あるいはそれ以下)という少量にとどまるための止血機構についてみると,次のような一連のdynamicな局所的な止血機序が必要とされる。
 すなわち,その第1は,分娩直後,子宮筋の収退縮が良好であること。第2には,その結果として,胎盤剥離面からの露呈血管が生理的に閉鎖されること。第3にはこの部分に血液凝固系が関与して血栓を形成すること。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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