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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科24巻12号

1970年12月発行

特集 産婦人科診断--最近の焦点

血液型不適合—新生児溶血性疾患(胎児赤芽球症)の診断における羊水検査の意義

著者: 白川光一1

所属機関: 1九州大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.1087 - P.1090

文献概要

 羊水は胎児にとつて最も近い生活環境をなすものであるため,近年羊水を胎児の最も直接的情報の供給源として活用せんとする試みが多くみられるが,母児間血液型不適合による新生児溶血性疾患(以下HDN (=hemolytic disease of the newborn))の診断上の焦点も羊水についての諸検査にあるといつても過言ではない現状である。
 最初に,HDNの診断過程の概略は図1に示すとおりであるが,このうち①,②,④,⑤はすでに早くから確立されているものであり,HDNの診断そのものにはまつたく問題点はない。そして本稿の焦点たる③すなわち羊水に関する諸検査が出現してきた原因は,HDNのなかの相当数のものは劇症罹患であつて子宮内〜出生直後死亡に終わるものであり,在胎中に正確な罹患度判定が必要であるという治療面からの要請によるものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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