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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科24巻2号

1970年02月発行

文献概要

研究

臍帯血中における胎児性ヘモグロビンの産科学的意義に関する臨床的研究

著者: 林耀東1

所属機関: 1山口大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.159 - P.163

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はじめに
 ヒトの血液ヘモグロビンには,成人血色素(Hb A)と胎児性血色素(Hb F)の2種類の血色素が存在することは,すでに古くから知られており1,2),また両者間のヘモグロビンの種々なる性質の差異については多くの業績により明らかである。特にHb Fについては,各分野から注目され,現在興味ある知見が次々と得られており,臨床的にはSinger法3)や,Jonxis法4,5)としてHb Fの定量に応用されている。
 産科領域においては,主として胎児の発育過程における変化6,7),新生児の成熟性8〜10)との関連があることが知られている。すなわち胎生初期の胎児血はすべてHb Fで占められているが,胎児の発育につれてHb Fが減少し,Hb Aが出現するので,分娩時ではHb Fが約45〜90%くらいになるといわれている11)。またHb Fは肝臓造血に由来し,Hb Aは骨髄造血に由来するといわれている12)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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