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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科24巻2号

1970年02月発行

文献概要

トピックス

HPL (人胎盤性プロラクチン)について

著者: 中居光生1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.173 - P.173

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 胎盤の内分泌機能の解明が近年一段と進歩し,妊娠時の母体および胎児に及ぼす生理学的役割について種々の新しい点が明らかにされている。この物質はHCGと同じく,胎盤のSynthitium細胞で分泌される蛋白ホルモンで,それが動物(主として家兎)に著明な催乳作用を持ち,ヒト成長ホルモン(HGH)に似ていることから,human placentallactogen (HPL),あるいは,humanchorionic somato-mammotropin(HCSM)と呼ばれている。約30年前に証明されたHCGが,今日産婦人科の臨床に不可欠のものになつているように,この物質もその存在が数年前に初めて証明されたにすぎないことから,まだ産婦人科領域での意義について十分な知識を得られるに至つていないが,HCGとならんで,今後ますます重要性を増してくると思われる。家兎での著明な乳汁形成作用は,人においても妊娠時の乳房の腫脹,発育と密接な関係を想定されている。
 HPLは胎盤で生成・分泌され,母体血中に入り,その後尿中から排泄されるが,その血中濃度はestriolのそれに似て,妊娠5週ごろから分娩直前まで,徐々に増加し,胎盤が娩出されると間もなく血中から消失する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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