文献詳細
症例
卵管に原発したと思われる腺癌の1例
著者: 佐野正治1 富永好之1 長谷川清1 堀哲美1 森久博司2
所属機関: 1鳥取大学医学部産科婦人科学教室 2鳥取大学医学部病理学教室
ページ範囲:P.357 - P.359
文献概要
女性性器は癌の好発臓器であるが,原発卵管癌は全女性性器癌中0.2〜0.5%9)と比較的稀である。最初に報告したのはRaymand (1847)10),本邦では佐野(1913)12)で,その後かなり多数の報告がなされている。最近,われわれは左付属器良性腫瘍の診断のもとに開腹したところ,左卵巣は拇指頭大で癒着し,左卵管に超鶏卵大の腫瘍を認めたが,悪性腫瘍であることに疑いがもたれなかつた。しかし術後の病理組織検査により卵管癌と診断されたが,臨床所見や病理組織学的所見により,原発卵管癌と思われるのでその概要を報告する。
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