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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科24巻6号

1970年06月発行

特集 不妊症の診断

着床不全

著者: 鈴木秋悦1 今井敏郎1 井上正人1 浜田康生1 上見幸司1 浜田宏2 近藤慶明2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科学教室 2東横病院産婦人科

ページ範囲:P.481 - P.488

文献概要

はじめに
 着床の機序については,今日,なお,多くの末解決の問題が残されており,とくに,人胞胚の着床機構は,全く解明されていないといつても過言ではない。したがつて,着床障害または着床不全の病態生理の理解も,人以外の哺乳類での実験的な背景から,それを類推しているにすぎない。
 臨床的には,従来より,黄体機能不全症が,広義の着床不全として理解され,その病態についても多くの報告がなされ,最近,その診断上での問題についても論議されてきている。しかし,着床不全の原因が,黄体機能の不全にのみ限局されないことは,最近の生殖生物学の進歩によつて明白にされており,性細胞の成熟過程の異常に始まり,精子または卵子の老化,受精の異常,胞胚と子宮内膜相関の破たん等,基礎的には,多くの問題が着床不全の原因として提起されてきており,機能性不妊の中でも,とくに重要な意義を有するものとして注目されてきている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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