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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科24巻6号

1970年06月発行

特集 不妊症の診断

不妊症の心身医学

著者: 長谷川直義1 村井憲男1

所属機関: 1東北大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.505 - P.510

文献概要

はじめに
 近年におけるめざましい医学の進歩は,高度な専門化の傾向をもたらしたが,その反面,病める人間を全体的かつ綜合的に観察するという方法を失いかけている。ここに心身医学は当初こそは患者の一部である心を重視することから出発したが,近年においては内分泌学,自律神経系に関する研究,精神生理学などの知見に裏づけられて,患者を心身両面から全体的に理解する綜合医学であるという概念にまで発展しつつある。最近,不妊に関しても心身医学の立場から,これに検討を加えようとする気運がおこり,すでに坂倉,岩淵らによる報告のほか,筆者の一人長谷川も心理的要因が主因となって無排卵,無月経などの月経異常をきたし,そのために不妊となっている症例やその発生機序について報告した。しかし,卵管因子や内分泌因子だけでなく,不妊をきたすその他の要因を含めての心身医学的接近も,今日重要な課題の一つである。そこでわれわれはFischer,deWatteville,Paltiなどによるこの方面の知見を紹介しながら,以下臨床上の問題点をのべてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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