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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科24巻7号

1970年07月発行

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トピックス

プロゲステロン投与と脳の発育

著者: 竹内久弥1

所属機関: 1順天堂大学産婦人科

ページ範囲:P.630 - P.630

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 副腎性や性腺性のステロイドホルモンが脳の発育ないしは脳の成熟に重要な働きをしているという証拠が明らかになりつつある。このことは動物実験でも確かめられているが,ヒトの場合でも同様らしい。例えばSchletterら(J.Clin.Endocrinol.,27,22,1967)は副腎腫瘍のあつた児が学校での成績優秀であつたものが,腫瘍剔除後に普通の成績になつてしまつた症例を報告している。最近,早発月経の治療のためにプロゲステロンの投与を受けた児の知能指数が高いこともいわれており,それならば胎児の時にプロゲステロンを投与された場合はどうかが知りたいところであろう。
 Dalton (Brit.J.Psychiat.,114,1377,1968)は妊娠中に治療の目的でプロゲステロンを投与された母親から生れた児の知能発達についての検討を報告している。それによると,プロゲステロン投与児と非投与児の生後1年での比較では,投与児が起立と歩行の能力に勝る以外に差は見られなかつたが,9〜10歳での学業成績では体育を除くすべてについて投与児が勝れており,その差は明らかに有意であつたという。また,プロゲステロンの投与量により多量投与群(総計8gr以上)と少量投与群(8gr以下)とに分け,これと対照非投与群とを比較すると,この順に知能程度が高く,プロゲステロンの投与時期で見ると,妊娠16週以前に投与された児が成績優秀であつたという。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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