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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科24巻9号

1970年09月発行

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トピックス

分画射精

著者: 小林俊文1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.836 - P.836

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 射精物を二つ以上の分画に分けて採取すると各分画の精子濃度および精奨の物理化学的性状が均等でないことは,家畜精液では,つとに知られており,ヒトの精液については,Macleod & Hotchkissが二分画に採取した30標本を検討し,第一分画に全精子数の76%,精液量の39%が含まれ,精子運動率も第一分画の方が良好であつたことを最初に報告した。その後精液の二分画採取を人工授精に応用した報告も散見され,最近では1965年Amelar & Hotchkissの報告がある。
 最近,私共は,精子濃度正常例26標本,精子減少症患者例319標本で,二分画に分けて採取した両分画精液を種々の観点から検討した。二分画の採取法は広口瓶二個を用いさせ,可及的最初のEmissionを一個に採らせてこれを第一分画とし,これに引き続くEmissionの全てを他の瓶に採らせこれを第二分画とする方法を用いた。両分画精液の一般性状の検討では,精液量は第一分画の方が少量であり,精子濃度は,精子濃度正常例,精子減少患者精子例ともに平均すると第一分画は第二分画の2.5〜3倍の高濃度を示した。従つて通常の採取法では30×106/ml程度の精子減少症患者精液でも,この方法を用いて採取した場合,第一分画精液は正常精子濃度を示し得ることがほとんどであつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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