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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科25巻1号

1971年01月発行

文献概要

カラーグラフ

卵巣腫瘍の組織診断—I.müllerian管上皮起源の卵巣癌(原発性,続発性)および転移性卵巣癌(主にKrukenberg腫瘍)

著者: 竹内正七1 泉陸一1

所属機関: 1東京大学医学部産科帰人科学教室

ページ範囲:P.6 - P.7

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 卵巣癌には組織発生の面から大きくわけて,1.卵巣表層上皮起源のもの,2.性細胞(germ cell)起源のもの,3.転移性のもの,などがある。2は次回にゆずり,ここでは1と3とを取扱う。
 I.卵巣表層(müllerian)上皮起源の卵巣癌
 卵巣表層上皮(surface epithelium)はMüller管上皮とともに胎生期腹膜上皮(coelomic epithelium)に由来するので,müllerian上皮ともいわれる。漿液性嚢腫は卵管上皮に,子宮内膜嚢腫は子宮内膜に,粘液性嚢腫は頸管内膜にそれぞれ類似が求められる。これらは良性踵瘍であるが,これに続発した癌と考えられるものがある。すなわち,続発癌(secondavy carcinoma)には漿液性腺癌(図1),子宮内膜様癌(図2),および粘液性腺癌(図3)などがある。続発癌にはこの他に性細胞由来の皮様嚢腫に続発する癌もあるが,扁平上皮癌が多い。これは次回にふれる。このmüllerian上皮およびその間質(mesoblast)が悪性化したと考えられるものに,悪性混合内胚腫(malignant mixed müllerian tumor)(図4,5)がある。これらの癌のいずれにも分類しえない癌は暫定約に原発癌(primary carcinoma)として分類されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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