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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科25巻10号

1971年10月発行

文献概要

特集 卵巣,卵管の手術--最近の焦点

卵巣良性腫瘍の手術

著者: 前山昌男1

所属機関: 1熊本大学産婦人科

ページ範囲:P.1009 - P.1014

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はじめに
 卵巣は一方では生殖器官として卵子を排出し,他方では内分泌器官としてestrogens, progestagensなどのsteroid hormoneを分泌する女性にとつて特異的かつ重要な器官である。したがつて,卵巣に対する外科的処置を加える場合には悪性腫瘍を除いてはつねにその婦人における卵巣機能を十分考慮して対処しなければならぬ,特に若年の未産婦においてはなおさらのことである。
 最初から悪性卵巣腫瘍と診断されたり,あるいはそれが強く疑われる場合には開腹することはさして躊躇しないが,単に卵巣に腫瘤を触知する場合は前述の卵巣の持つ生理的機能とも関連して開腹の適応について迷うことがある。しかしながら,現在においては,卵巣腫瘍の存在はそれまてに婦人に症状を与えようが与えまいと一応開腹の適応という考え方が重視されている。その理由として卵巣腫瘍の約15%に悪性変化がおこることがあげられている。これは待期療法を取るには余りにも高い頻度である。卵巣腫瘍のうちでいわゆる良性群として挙げられているものはNovakによると次の表のごとくである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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