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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科25巻12号

1971年12月発行

文献概要

特集 産婦人科形成手術・Ⅱ

ルフォールの手術

著者: 関場香1

所属機関: 1岡山大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.1211 - P.1217

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はじめに
 完全子宮脱の手術的治療法としてLe Fortは前後の腟壁粘膜を剥離し,それを前後に縫合することによつて腟を閉鎖し,子宮ならびに腟の脱出を防ぐ方法について記載した。しかし詳細な点で今日われわれがLe Fortの術式として行なつているものとは異つている。すなわち腟壁の剥離は,前腟円蓋および後腟円蓋をそれぞれ底辺とし,前壁では尿道口の下部を,後壁では会陰に近い部を頂点とする細長い三角形の腟粘膜を剥離するものであつた。現在一般に行なわれているように矩形の粘膜剥離ではなかつた。
 この両者を比べた場合,前者では頸管ならびに腟分泌物の処理は簡単である。しかし剥離面が狭いため脱出を防ぐ力は弱い。また尿道および膀胱頸部を引き下げるため尿失禁を起こす可能性が強い。現在行なわれているものではこの部分の面積が横に広いため比較的その心配は少なく,術式本来の目的からいつても有利であると思われるのでその術式について述べてみたい。しかしこの術式にも幾つかの欠点があり,それを補うためGood-all & Powerは変法を考え,Käserらはさらに改良を加えている。この術式についてもGoodall &Powerの変法として述べてみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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