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特集 産婦人科麻酔の問題点
新しい麻酔剤ケタラール使用の問題点
著者: 新井正夫1
所属機関: 1北里大学医学部産婦人科
ページ範囲:P.253 - P.256
文献購入ページに移動I.ケタラールの特性
1.鎮痛効果
実験的に本剤は,大脳の新皮質や視床系を抑制するが大脳辺縁系には刺激的に作用する麻酔解離性である。脳波学的にも痛覚の中枢である新皮質—視床が抑制されている時期でも大脳辺縁系では覚醒波が認められる。すなわち意識と痛覚との間に解離があることが特徴的であるが,アルコール注射の際にも同じような現象がみられることから本剤のみの特性とすることに疑意を持つものもある。
また新皮質領域は抑制されているが体性感覚野および連合野ではδ波を認められ,その他の感覚皮質では認められないことは,本剤が体表手術には鎮痛効果があるが内臓手術には麻酔効果がないことを示唆している。
1.鎮痛効果
実験的に本剤は,大脳の新皮質や視床系を抑制するが大脳辺縁系には刺激的に作用する麻酔解離性である。脳波学的にも痛覚の中枢である新皮質—視床が抑制されている時期でも大脳辺縁系では覚醒波が認められる。すなわち意識と痛覚との間に解離があることが特徴的であるが,アルコール注射の際にも同じような現象がみられることから本剤のみの特性とすることに疑意を持つものもある。
また新皮質領域は抑制されているが体性感覚野および連合野ではδ波を認められ,その他の感覚皮質では認められないことは,本剤が体表手術には鎮痛効果があるが内臓手術には麻酔効果がないことを示唆している。
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