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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科25巻3号

1971年03月発行

文献概要

特集 産婦人科麻酔の問題点 麻酔法--私はこうやつている

フローセン吸入麻酔

著者: 武田秀雄1

所属機関: 1荘病院産婦人科

ページ範囲:P.268 - P.269

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 フローセンが産科領域に用いられるのは(1)無痛分娩の第二期,(2)帝王切開麻酔,(3)外回転術,骨盤位その他異常位娩出の麻酔等であるが,わが国では無痛分娩には余り用いられておらず,昭和40年の長内のアンケート調査によれば,トライレン,笑気,エーテルに次いで第4位を占め,その頻度は僅かに1.1%にしか過ぎない。その理由は①フローセンは麻酔力が強く子宮収縮を抑制して分娩を遷延させ,後出血量が増加する。②適度な麻酔深度を得るには精度の高いフローセン気化器(例えばフローテック)を必要とし,従つて器械が高価である。③フローセン自体も比較的高価であり通常笑気および酸素との併用麻酔が必要であり費用がかかる。④フローセンに対する知識に乏しい点が考えられる。これに対して帝王切開麻酔としてのフローセンは①導入,覚醒が速やかで気道刺戟性が少なく緊急帝切にも適している。②胎児に対する抑制作用も少なく,またsleepy babyが生れた場合でも蘇生器により児の肺換気が開始されると回復が早い。③後出血の点も酸素によりフローセンを洗い出すことにより直ちに収縮剤に反応するなどの利点が多いため最も屡々用いられている。ここでは私達の行なつている無痛分娩法および帝王切開麻酔法について述べて見よう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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