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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科25巻3号

1971年03月発行

文献概要

薬の臨床

プレマリン錠剤内服時の血中濃度ならびに尿中排泄量について

著者: 中山徹也1 香川繁1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.295 - P.296

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 静注用プレマリンについて,そのエストロゲン活性の基礎的研究および血中濃度,尿中排泄量に関しては既に発表した1)。すなわち静注用プレマリンの発情作用は去勢ラット(去勢後3週間)で他の3種のエストロゲンすなわちエストロン,エストラダイオールおよびエストリオールと比較してやや弱いことおよび静注後の血中濃度と尿中排泄量はそれぞれ図1のごとく,注射後15分で10 Vaginal unit/ml plasmaで,以後は急速に減少し30分では2v.u.,1時間およびそれ以後では1v.u.以下であつた。また同時に測定した尿中への排泄量は図2のごとく血中よりの消失とほぼ呼応して,最初の1時間に全量の30%近くが排泄された。その3分画をみるとはじめはエストロンが圧倒的に多いが,その後はすみやかに減少し,エストラダイオールも漸次減少するが,エストリオールは4時間目までの所にピークがある。プレマリンにはエストリオール,エストラダイオールはほとんど含まれていないので,このように尿中に多量に排泄されることは,主成分であるエストロンからエストラダイオールやエストリオールへの転換が行なわれたものと考える。
 そこでこれに対して今回はプレマリン錠剤の経口投与後の血中濃度および尿中排泄量を検討し,前回の静注の成績と比較した。まず血中濃度は,3週間前に手術的に去勢された45歳の婦人にプレマリン錠2.5mgを投与し,投与後6時間,12時間,24時間および36時間にそれぞれ約20mlずつ採血し,その血漿10mlを塩酸加水分解,ベンゼンにて連続抽出後,プロピレングリコールで各種濃度に稀釈し,これを小林・中山法,すなわちそれぞれの0.05mlを去勢後3週間の成熟雌ラットの腟内に注入し,入口部を巾着縫合して液の流出を防ぎ,24時間後に抜糸,再び同量の溶液を注入縫合して,さらに24時間後に抜糸してスミアを検査した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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