臨床婦人科産科25巻4号

1971年04月発行

特集 産婦人科手術の基本手技・Ⅰ

結紮

著者： 滝一郎¹ 浜田悌二¹

所属機関： ¹九州大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲：P.331 - P.339

まえおき
　領域の如何を問わず，外科的手術におけるもつとも基本的な手技は縫合糸の結紮であるといえる。その習熟なくして満足のゆく手術はあり得ない。結紮手技はおもに手術第1助手によつて行なわれるが，その手技の巧拙は手術の確実性，所要時間に大きな影響をおよぼし，ひいては患者の予後を左右するといつても過言ではない。本稿では，結紮の基本手技のうちでも，最もよく用いられるものについて述べたい。