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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科25巻5号

1971年05月発行

今日の問題点 薬物と副作用

薬物の催奇形性

著者: 大野虎之進1 高畠弘1

所属機関: 1東京歯科大学市川病院産婦人科

ページ範囲:P.429 - P.438

文献概要

緒言
 各領域における科学の進歩により,文明は高度に発達し,人間社会にいろいろと福祉をもたらしているが,一面においては,各種産業の発展に伴うところの大気汚染・海洋汚染,農産物・海産物にとり込まれたカドミウムや有機水銀などを摂取することによつて起こる重篤な後遺症の発生などの,いわゆる公害問題や,食品添加物による発癌,無意識下に蒙る放射線被曝の問題など,困惑すべき副産物を伴い,これらの諸問題の解決には,多大の忍耐強い努力が払われることが必要とされている現今であることはいうまでもない。
 さらに,医療の面においても,第Ⅱ次世界大戦後の抗生物質を始めとして,副腎皮質ホルモン剤や各種のステロイド剤,その他の多くの薬剤の目覚しい開発登場は,医療行為を質的にも量的にも変革し,治療効果の上昇に寄与し,さらに疾患の種類と分布を変えたことは何びとも認めるところであるが,ここにおいてもその反面,薬剤によるいろいろの副作用と,妊婦,特に胎芽期にそれらの薬剤を使用したためにおこる催奇形作用,胎児期に薬剤の影響をうけた胎児,新生児の異常についての諸問題は,最近約10年ぐらいの間に俄然close upされてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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