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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科25巻6号

1971年06月発行

文献概要

特集 人工妊娠中絶術

Prostaglandin応用の現状と将来

著者: 坂元正一1 木下勝之1

所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.509 - P.515

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はじめに
 Prostaglandin(以下PGと略す)は,今から35年前に人の精液中に含まれていることが初めて発見されて以来,平滑筋を刺激し血圧下降をきたす作用ゆえに,広範に研究されてきた。
 現在ではPGは,炭素数20の不飽和脂酸であり,精液中のみならず哺乳動物のさまざまな臓器に含まれており,しかも,その特異な広範囲にわたる生理作用ゆえに,新しいホルモンという考えがひろまり,注目をあつめている1)。1968年,ウガンダ,マケレレ大学のKarimは,PGE2, Fの著明な子宮収縮作用と黄体機能抑制作用に注目し,初めてPGの臨床応用を試みた。Karimは,分娩誘発4)5)および人工妊娠中絶6)に使用しただけでなく,予定月経が数日遅れている婦人に使用し,月経を発来させることに成功した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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